実力互角で激戦必至
優勝候補は5指に余る大混戦のV争い。どこからでも狙えるが、新山響平、守澤太志の2名のSS班に渡部幸訓とそろった北日本勢がややリードとみた。先陣を受け持つ新山は先行基本の競走で別線を沈黙させている。今年はまだ優勝こそないものの、ウィナーズカップ、ダービー、高松宮記念杯とビッグレースで3大会続けて決勝に乗っている。新山が快速を発揮して主導権を握れば、守澤に絶好の展開が巡ってくる。1カ月半の欠場明けだった高松宮記念杯では、本来の動きではなかったが、7月名古屋記念は二次予選、準決を連勝していて、ようやく差し脚に鋭さが戻ってきた。決勝での落車の影響が軽ければ勝機をきっちりものにしよう。
関東勢も平原康多、眞杉匠、佐々木悠葵と戦力は整っている。今年は落車が多く、なかなか波に乗れない平原ながら、サマーナイトは準決2着で決勝に乗るなど、やはり底力はある。この準決で平原の前で戦ったのは眞杉だ。先行して新田祐大のまくりに屈したものの、番手の守澤を捌いている。4着で優参は成らなかったが、ヨコの動きにも進境を示した。もちろん、持ち味である自力攻撃には素晴らしい破壊力がある。3連勝で決勝に勝ち上がった8月富山記念の初日特選では、単騎ながら豪快なまくりを繰り出し、松浦悠士とのデッドヒートを制した。佐々木も動きはいい。6月前橋記念❶1③❷着では地元の意地を見せると、サマーナイトはビッグレース初優参を果たしている。
今年は飛躍を遂げた犬伏湧也の単にも食指が動く。3月大垣記念でGIII初Vをゲットすると、ダービーではGI大会で初の決勝進出。その後もGIIIは5月函館記念、6月大垣記念、7月小松島記念と続けて決勝に乗っているし、サマーナイトは優参は逃がすも1⑧2着と2連対、快進撃が続いている。トップスピード、ダッシュ力は一級品で、先手を奪えば好勝負に持ち込める。師匠の阿竹智史が犬伏とタッグを組む。犬伏とは対照的に地脚型なので、踏み出しに集中して上位独占を目指そう。ただ、8月小田原で落車したので、体調には一抹の不安が残る。清水裕友も8月玉野で落車のアクシデントに見舞われた。この大会は67、68周年を連覇した実績があるので、体調に問題がなければ優勝候補の一角だ。犬伏との連係が叶うようなら、展開の利を得られる可能性もある。
北井佑季、根田空史と2枚の大砲を擁する南関勢。追い込み型は小原太樹が控えているので侮れない勢力だ。北井は高松宮記念杯では逃げ切りで2勝、サマーナイトは予選で逃げ切っていて先行力は非凡。好発進を決めて台風の目と化すか。
スピードなら山崎賢人も引けを取らない。井上昌己も近況はまずまずなので、長崎勢には注意したい。
主な地元出場選手
一息不足の場所が続いていたが、7月当所では3連勝で今年の初優勝を達成した。最近は伸びが良くなってきていて、復調気配を感じさせる。1月当所記念1814着を上回る活躍が期待できる。
1月当所記念では予選を12着で準決にコマを進めると、3月に❶①❺着と連勝で決勝に乗っている。バンクとの相性がいいので、持ち味の自在戦を奏功させての上位進出も大いにありそうだ。
記者推奨選手
121期の在所2位。7月弥彦で9連勝を達成してA級を卒業。S級初戦の7月京王閣の予選は、上がり11秒4の好タイムで逃げ切り勝ち。先行力は折り紙付きだ。初のGレースでどこまでやれるか注目したい。
ここに来て調子を上げている。7月青森2①❶着では今年の初優勝をものにすると、同月名古屋記念は6213着。一次予選で敗退も3回の確定板入りを果たした。自在に立ち回り同格戦は連がらみ十分。