平原康多らを強敵が襲う
伝統の正月記念には、今回もS班4人を筆頭に豪華メンバーが集結した。とはいえ、主役は平原康多で揺るぎない。平原は昨年大会を含め、当所記念をここまでV3。関東のエースとして強い責任感で結果を出しており、それは新年になっても変わらないだろう。21年は自身も落車禍を乗り越えて4年ぶりのGⅠ制覇と忘れられない年となったが、何よりも関東から新たなタイトルホルダーが2人誕生したのが気持ちを奮い立たせる。その1人である吉田拓矢と再び連係が有力となれば言うことない。グランプリから中3日の開催でも、寬仁親王牌を勝ってからは計画的に練習もできただろう。勢いのままに22年もここから好スタートを切る。吉田は旋風を巻き起こしている弟の有希(119期)らとの練習と、自力基本の総力戦が板に付いてきたのが競輪祭の決勝で実った。もちろん、ここは関東ラインの先頭で強敵に立ち向かう。地元の鈴木竜士も気合が入る。前回大会は決勝3着に終わっただけに、今度こそ記念初優勝をと気持ちを強く臨もう。今期は6年ぶりに2班に落ちたように、21年は失格3回に、怪我で長欠もあって苦しい一年だった。GⅠウィナーとなった同期の吉田との差を少しでも縮めたいし、22年初戦から流れを変えていく。また、関東では11月四日市で地元の浅井康太らを破って記念初優勝を遂げた坂井洋にも注目。
そろった関東勢を新田祐大、守澤太志の北コンビなら粉砕できる。東京オリンピックが終わってからの戦いではさすがにグランプリ出場は叶わなかった新田だが、7年ぶりの1班にむしろモチベーションは上がっている。最近の積極的に先手を奪うレースにも競輪選手として新たなスタートを切るという決意が現れている。平原の水際立ったプレーにしてやられた寬仁親王牌の悔しさも忘れていないだろう。図抜けたスピードで別線をシャットアウトし、守澤と決めてみせるか。2年連続でS班となった守澤も文句なしの安定感だ。一次予選2で失格した競輪祭にしても差し脚のキレは強烈だった。
清水裕友は22年もこの大会が走り初め。過去には67、68周年記念を連覇した実績もあるゲンのいい得意走路だ。競輪祭は途中欠場を余儀なくされたが、落車した後も一走していたように幸いにも大事には至らなかった模様。前々好位キープから仕掛けていければ11月防府から記念を連続優勝も。
松井宏佑、渡邉雄太の大砲2門に、内藤秀久、岡村潤と南関勢も戦力が整っている。4人とも近況は一息だが、かみ合ってくれば存在感を発揮するはずだ。
さらに太田竜馬、小倉竜二の徳島コンビも軽視は禁物。
主な地元出場選手
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地元期待の大型先行。A級で力を付けてきただけに、初のS級となった21年後期は白星量産の予想を上回る活躍だった。10月前橋でGⅢの準決は経験済み。初のホーム記念では決勝進出を目指す。
卓越したダッシュ、スピードには定評があり、20年11月のS級特進から順調に実績を積み重ねて今期は1班に。九州の援軍はやや手薄なシリーズだが、記念でも存在感を発揮しており目が離せない。